2017年4月21日金曜日

団長より愛をこめて

こんにちは。
今日はステージリハーサルでこのあとホールにむかうのですが、三鷹の森から府中の森へむかうとは之れ如何に。
ついに演奏会の前日です。
4月に入って瞬く間に時間が過ぎていった気もしますが、でもいろんなひとがお話してくれる機会があった日々をほんとうに嬉しいなとおもうブログマスターです。

、、、よいこのみなさん、今日は早く寝ましょうね。
あしたはパフォーマンス爆上げでおねがいしますよ!

さて本日の記事は、さいきんトレンチコートのかっこいい団長さんにお願いしました。
演奏会詳細もあるので今一度ぜひご覧くださいね、明日は演奏会場にて皆様とお会いできることを楽しみにしております!

〈いつか〉


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拝啓

この記事をお読みの、ちょっと時間に余裕のある皆様

ICUではあっという間に桜が散り、緑の葉が爽やかで美しい季節に差し掛かりつつあります。
いかがお過ごしでしょうか。

書きたいことがありすぎて、なにを書いたらいいかわからず、これで書き直し三回目です。
わたしは普段「書く」という作業がとても苦手なので、めずらしく書きたいことで溢れているという状況を、楽しんでいます。

さて、明日はいよいよ本番です。
わたし、どこのホールでも、ステージの空気って、大好きなんです。
どこも少し埃っぽいんですけど笑、反響板のうらでの、小さい声でのやりとりや、ヒールで歩いた時のステージの響き方や、そしてなにより、本番という日の雰囲気…慌ただしさ、緊張、特別さ、ワクワク感…そういったものが大好きです。

この一年間、団長をやらせていただきました。

団長になった理由はいろいろあります。

コンミスになれる程の実力が自分に伴わなかったこと。
執行代になって、指を咥えてことが進んでいくのを想像した時、耐えられないな笑笑、と思ったこと。
ほとんど裏方のしごとだから、もしかしたら協調性の無い人間にもできるのでは?!?と思ったこと。

などなど。

ただ、歴代の団長さんを見てきて、わたしの中で、「本番の空気感をつくる」っていうのができるのは、演奏会そのものを統括している、団長だけなのかな、って思います。
この人の空気で、場の雰囲気を作り上げる、わたしもそういう人間になれたらいいな、と思って団長になったというのは、いま振り返ると、大きいのかなって、思います。

そんな理由でなった団長ですが、決して楽なことだけではなかったです。
殊にメンタルがお豆腐な私にとって、辞めたい、辞めたら楽になれる、他の人がやったほうがやっぱり、いいんじゃないかな……と思ったことが、山ほどあります。

でも、そのたびに、本番の日を思い出して、あの、空気感、あれに最先端で関わっていたい、という憧れを思い出して、なんとか今日まで首の皮を一枚つないできました。


さて、明日はいよいよ本番です。
わたし、明日のコンサートが、CMS管弦楽団での最後のコンサートなんですよね。
メインに添えられているのは、シベリウスの交響曲第2番です。

シベリウスは、この曲には、思想性や標題といったものはない、と断言したそうです。
ひとりの奏者としてこの曲に向き合った時、はたしてそうなのだろうか……という風に思います。

憧れ。
悲しみ。
苦しみ。
やるせなさ。
怒り。
憧憬。
死への恐怖。
あたたかさ。
誇り。
輝き。
そして、愛。

このシベリウスの交響曲第2番という感情には、普遍的な、誰もがもちうる、生々しい感情がたくさん詰まっているとわたしは感じます。
第一楽章があり、第二楽章があり、第三楽章があって、第四楽章なのです。
どの楽章、どのフレーズが欠けても、第四楽章のフィナーレには到達できない。

われわれの人生がすべて、ある存在の手の中にあるのであれば、あるいは、もしなかったとしても、すべてのことは起こるべくして起こったのだと。
悲しい運命も、あんまり認めたくないけれど、すべて起こるべくして起こったのだと。
それも含めて、すべて、人生とは愛しいものだと。

そういう曲だと思っています。


さて、明日はいよいよ本番です。
府中の森芸術劇場 どりーむホールでお待ちしております。
曲目:交響的舞曲/グリーグ シベリウス交響曲第2番。

2017年4月22日 13:30開場、14:00開演です。
府中市民の方、高校生以下、70歳以上、2017年度4月入学生は、大学を問わず無料です。
その他の方は当日券を600円でお買い求めいただけます。
こちらの優待券のご提示で、前売り価格500円になります。

21歳なりに出した、人生への答えを、聴きに来てください。

敬具
ぴょぴょこ

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